病気について
2011-02-03 10:21:00
アレルギー性結膜炎
概要 アレルギーとは、外から入ってくる異物に対して、体が過剰に反応することで起こります。結膜は直接空気と接していますので、様々な異物が飛び込んできます。 アレルギー性結膜炎の分類 1. 花粉症 (右上図参照) 花粉が原因で生じるアレルギーです。花粉症を起こす植物としては、春先に多いスギ、秋に多いブタクサなどが有名ですが、花粉そのものが毒性を持っている わけではありません。 花粉が体に入ってくると、「好酸球」という細胞が過剰に反応して、「ヒスタミン」などの化学伝達物質をたくさん作ってしまうことが花粉アレルギーの原因です。症状は眼のかゆみ・充血・異物感・目やになどです。 2. ハウスダストによるアレルギー性結膜炎(通年性アレルギー性結膜炎) ハウスダストによる結膜炎も、原因や症状は花粉症と同様です。(異物が花粉ではなく、ハウスダストであるという違いだけです。)しかし、ハウスダストは花粉と異なり、常に身の回りにあるので、一年を通して症状が慢性的にみられるのが特徴です。 3.春季カタル コンタクトレンズについたタンパク汚れの変性物に対するアレルギー反応が原因で、汚れたコンタクトレンズで発生します。異物感、くもり、目やになどが出るほか、重症になるとコンタクトレンズが上方にずれやすくなります。 症状 アレルギー性結膜炎の症状は、まず目やまぶたがかゆくなります。目をこすったり、かいたりしていると次第に痛みが加わり、目がゴロゴロした感じになります。 そしてそのまま放っておくと結膜が充血して、まぶたが赤く腫れてきます。さらに症状が悪化すると、角膜周囲が充血して、結膜にゼリー状の目やにが出てきます。 このような症状になる前に対処することが悪化させないために重要です。まず、目にかゆみがでてきた段階ですぐに眼科医を訪れてください。 アレルギー性結膜炎の予防方法 花粉症の場合は、症状の出現しやすい季節にできるだけ花粉と接しないように工夫することが重要です。ゴーグル型の眼鏡や花粉防止用のマスクの着用が効果的です。 洗眼を頻回に行うことは目を傷つけてしまうこともあるため、あまりすすめられません。ハウスダストの場合は、部屋の清潔を心掛けたり、寝具を干したりするのも効果的です。
眼のアレルギーを起こす原因物質としては、ハウスダスト、花粉などが代表的です。ハウスダストの中にもいろいろなものがあり、ほこりの中に混じって生きているダニ、ダニの死骸(しがい)や糞(ふん)、ヒトや動物のフケや毛、カビなども含まれます。これらが無数のほこりとなって空中に舞い上がり、結膜に付着すると結膜炎を引き起こします。
春季カタルはアレルギー性結膜炎の慢性重症型です。10歳くらいまでの男児に多く見られます。ハウスダストが原因となっていることが多いとされています。目のかゆみが非常に強いうえ、黒目(角膜)の表面に多くの小さな傷ができるために異物感が強く、光をまぶしく感じます。
炎症が強いときは、角膜に白い混濁ができることがあります。ひどくなると、混濁部分で上 皮が剥がれ落ちて「角膜潰瘍」という状態になることもあります。
従来は、10歳を過ぎると症状は軽くなり、自然治癒することが多かったのですが、アトピー 性皮膚炎を合併することが多くなった最近では、20歳代でも強い症状がみられる人がいます。
4.巨大乳頭結膜炎
巨大乳頭結膜炎とは、上まぶたの裏に、大きなボツボツとした結膜乳頭による隆起が多数発生し、炎症を起こしている状態です。
2011-02-01 13:55:00
コンタクトレンズと角膜潰瘍(かくまくかいよう)
角膜潰瘍は、
角膜(黒目)の表面の皮がめくれ(角膜びらん)、角膜実質がむき出しになるだけでなく、角膜実質が傷んでいる状態です。
原因は感染、免疫反応、外傷や薬品などがある他、コンタクトレンズを、指定の時間以上に長期装着したり、正しい装着指導もないままの使用等が挙げられます。
角膜の病気としてはかなり重症で、すぐに治療をしなければなりません。病気が進行すると、たとえ治癒しても瘢痕(はんこん)ができて視力が出ないだけでなく、最悪の場合、角膜に穴が開いて眼球の中身が外に出てしまったり、逆に細菌などが眼球の中に入って失明してしまいます。
個人個人の眼に合ったコンタクトレンズを提案される事無く、通販、量販店で購入して最悪の状態(角膜潰瘍等の眼疾患)で当院へ来院される患者さまが増えています。 視力が0.02まで落ち、重篤な状態の方もいらっしゃいます。
コンタクトレンズは必ず眼科専門医師の診察のもと、正しい装着、適切なレンズを装着し、定期的な検診を受けることをお勧めいたします。
2011-01-26 15:45:00
眼精疲労
ほかにも、目が霞んで見えにくくなったり、頭痛・肩こり・吐き気などの全身症状が出現し、休息や睡眠をとっても十分に回復しえない状態をいいます。
目が疲れる原因にはどんなものがあるでしょうか。
1.目そのものに原因があるもの
- 遠視や乱視、メガネがあってない場合
- 右目と左目の見え方が違う場合
- 斜視や斜位がある場合
- 老眼
- 緑内障
- ドライアイ
2.環境に原因があるもの
- パソコンの画面や紫外線などの光刺激
- 音刺激
- ガスや有機溶剤などの化学的刺激
- ストレス
3.全身疾患による原因
4.精神的原因
これらの一つだけしか該当しないときには、眼疲労は起きても眼精疲労にはあまりなりません。
眼疲労を起こすいくつかの小さな原因が重なり合って目の負担が増え、眼精疲労になります。
ですから、原因と思われる病気を治したのに眼精疲労が治らないことも少なくないのです。
眼精疲労の治療
眼精疲労の治療には、まず、検査によって原因を調べ、原因疾患がある場合にはその治療をするとともに、目薬や飲み薬を使って目の疲れを和らげることも行います。
また乾燥感を訴える方の中には、ドライアイを合併している方がかなりいます。そのような場合には、その治療を行うと乾燥感が解消されることがあります。
眼精疲労は、何らかの手を打たなければ、仕事や環境が変わるといった生活の変化がない限り、自然には治りません。
不快な症状がいつまでも続き、その症状がさらに状態を悪化させることもあります。
さらに、背後に目や,からだの病気が隠れている可能性も考えられます。「ただの目の疲れ」などと軽く考えず、なるべく早く診察を受け、対策を立てましょう。
2011-01-22 19:44:00
緑内障
■失明原因第1位
緑内障は、我が国における失明原因の第1位を占めており、日本の社会において大きな問題として考えられています。
■原因
眼の中には、房水(ぼうすい)といって栄養などを運んだり目の形を保つ働きをしている透明な液体があります。房水は眼球内の毛様体で作られ、シュレム管という排出管から排出されます。 ※右上の図参照
緑内障はこの排出機能が何らかの原因で悪くなり、房水が眼の中にたまりすぎて眼球内の圧力が高まり、眼球は硬くなって視神経を圧迫して眼の機能が落ちる病気です。
■緑内障の症状
緑内障は、40歳以上の17人に1人がかかる身近な病気。
放っておくと視野が狭くなったり、視力が落ちたりして失明してしまいます。
また、眼圧は正常なのに視神経などに障害を起こす場合もあります。一旦障害された視神経はもとには戻りません。早期発見、早期治療が望まれます。
■アドバイス
ひとたび障害されてしまった視神経は、残念ながら回復することはありません。また、どんなに手を尽くしても進行を止められない緑内障もあります。
しかし、癌検診同様、眼底検査を受けて早期に緑内障を発見できれば、言い換えれば、まだ視神経の障害が軽いうちに手を打つことができれば、失明に至る危険性はぐっと少なくなります。
治療の目的は進行を止める、または遅らせることであり、回復させるものでないことをご理解ください。
いずれにしても、40歳以上の方は年に一回眼底カメラを撮り、検査を受ける事が大切です。 また視界の四隅が欠けて視界が狭く見えるなどの症状が現れた場合、眼科にてすぐに診察を受けることが重要です
2011-01-21 15:18:00
ドライアイ
■ドライアイの方が増えています
ドライアイは、涙液の減少や涙の成分が変化したりして眼の乾く疾患です。重症になると角膜の表面に無数の傷がつきます。潜在患者さんは1000万人いるといわれています。
■ドライアイの主な症状.......思い当たる症状はいくつありますか?
※右上の図をクリックしてチェックしてみてください。
5つ以上の項目があてはまる人はドライアイの可能性が高くなります。
■ドライアイの原因
涙が減少する病気や加齢、薬の影響、エアコン、長時間のパソコン操作などで、涙の量が少なくなることで、ドライアイになります。
■ドライアイによる目の障害
涙は目の表面を潤すだけでなく、角膜や結膜の細胞に栄養を供給しています。涙量の少ないドライアイは、当然目の表面の細胞に傷ができやすくなります。
また、目が疲れたり、肩が凝ったり、頭痛を引き起こしたりします。集中力も当然低下し、仕事の能率は落ちます。
■アドバイス
ドライアイは失明などの重篤な結果をもたらすことは少ない病気ですが、慢性的な目の不快感や疲れをもたらし日常生活の質を著しく下げることがしばしば起こります。
症状に合った、いろいろな治療法がありますので、目の異物感や目の疲れを感じたら、眼科を受診するようにしましょう。